「1TBのHDDを買ったのに、パソコンでは931GBと表示される」「光1Gbpsなのに、100GBのゲームが15分では終わらない」。この2つは、どちらも単位の定義と実効速度を知っていれば説明がつきます。
このツールは、データ量を10進(KB・MB・GB)と2進(KiB・MiB・GiB)の両方に換算し、さらに回線速度を入れるとダウンロードにかかる時間を計算します。実効率のつまみを動かせば、「理論値では何分、実際には何分か」を並べて確認できます。
データ量・通信速度の変換とダウンロード時間の計算
GB と GiB の違いを踏まえて全単位に換算し、回線速度からダウンロード所要時間まで計算します。すべてブラウザ内で完結します
1. データ量を変換する
数値と単位を入れると、他のすべての単位に換算します
2. ダウンロードにかかる時間を出す
上のデータ量を、指定した回線速度で落としたときの目安です
- ESTIMATED TIME
- —
なぜ 1TB の HDD は 931GB と表示されるのか
原因は、メーカーとOSで「1GB」の意味が違うことです。
- ストレージメーカーは10進を使います。1TB = 1,000,000,000,000バイト
- Windowsは2進で計算しますが、表示だけは「GB」と書きます。1GB = 1,073,741,824バイト
1,000,000,000,000 ÷ 1,073,741,824 = 約931。つまり容量が減っているのではなく、同じ量を違うものさしで測っているだけです。正確に書くなら2進のほうは GiB(ギビバイト)と呼びます。上のツールで「1」「TB」と入れると、GiB の行に 931.32 と出ます。
ちなみに macOS は10進で表示するため、同じHDDが「1TB」と出ます。Mac から Windows に移った人が「容量が減った」と感じるのは、この表示方式の違いによるものです。
bps と B/s を取り違えると8倍ずれる
回線速度の「Mbps」はメガビット毎秒、ファイル転送の「MB/s」はメガバイト毎秒です。1バイト = 8ビットなので、両者は8倍違います。
| 回線の公称速度 | 理論上の最大 MB/s | 実効70%での MB/s |
|---|---|---|
| 100 Mbps | 12.5 MB/s | 8.75 MB/s |
| 1 Gbps(光ホーム1G) | 125 MB/s | 87.5 MB/s |
| 10 Gbps | 1,250 MB/s | 875 MB/s |
| 1.2 Gbps(SoftBank Air 5G実測) | 150 MB/s | 105 MB/s |
「光1Gbps」を契約していても、実際にファイルが落ちてくる速度は毎秒125MBが上限で、そこから各種のロスが引かれます。100GBのゲームなら理論値でも約13分、実効70%なら約19分かかる計算です。
実効率は何で決まるのか
公称速度がそのまま出ないのには、いくつも理由が重なっています。
通信の「封筒」ぶんが引かれる
データはそのまま流れるのではなく、宛先などを書いたヘッダーを付けて小分けに送られます。この管理情報が数%を占めるため、中身のデータだけを見た速度は必ず公称値より下がります。
相手側のサーバーが上限になっていることが多い
自分の回線が10Gbpsでも、ダウンロード元が1台あたり50Mbpsで制限していれば50Mbpsしか出ません。回線を上げても速くならない場合、原因は自分側ではなく相手側にあります。
Wi-Fiは公称値の半分前後まで落ちる
Wi-Fiは同時に送受信できない方式のため、規格上の最大値の50〜60%程度が実測の目安です。有線接続に変えるだけで数字が跳ね上がることは珍しくありません。
遅延(レイテンシ)は速度とは別の問題
筆者の環境では、SoftBank Air のエアターミナル6が5Gを掴んだとき下り約1.2Gbps出ていました。数字だけなら光回線並みですが、オンラインゲームは実用になりませんでした。ダウンロード速度と応答速度は別物で、ゲームや通話で効くのは後者です。詳しくはSoftBank Air エアターミナル5と6を両方使ってわかったことにまとめています。応答速度はネット回線かんたん診断で実測できます。
覚えておくと便利な目安
| 用途 | 必要な下り速度の目安 |
|---|---|
| メール・SNS・Web閲覧 | 1〜5 Mbps |
| ビデオ会議(1対1) | 3〜5 Mbps |
| フルHD動画のストリーミング | 5〜10 Mbps |
| 4K動画のストリーミング | 25 Mbps 前後 |
| オンラインゲーム | 速度は30 Mbpsで十分。それより応答速度20ms以下が重要 |
| 大容量ファイルの日常的なやり取り | 100 Mbps 以上あると快適 |
表のとおり、一般的な用途では100Mbps出ていれば足ります。「1Gbpsにしたのに体感が変わらない」という声が多いのは、もともと上限に達していなかったためです。
ストレージの「使える容量」は、表示よりさらに小さい
1TBのSSDが931GiBと表示される理由は本文で説明したとおりですが、実際に使える容量はそこからさらに減ります。内訳を知っておくと、購入時の見積もりを誤りません。
| 減る要因 | おおよその量 | 内容 |
|---|---|---|
| 単位の違い(TB→TiB) | 約7% | 1000進法と1024進法の差 |
| ファイルシステムの管理領域 | 1〜3% | フォーマット時に確保される |
| OSと回復パーティション | 25〜40GB | Windows本体、回復環境、予約領域 |
| SSDの予備領域 | 製品による | 寿命を延ばすため内部で確保。ユーザーからは見えない |
| 推奨する空き | 全体の10〜20% | 空きが1割を切ると明確に遅くなる |
実務的な結論として、「1TBのドライブに実際に置けるのは、おおむね700〜750GB程度」と見積もっておくと安全です。データを800GB持っている人が1TBを買うと、すぐに逼迫します。
写真・動画・書類の容量の目安
「どれくらいの容量が必要か」を判断するための実用的な目安です。
| 種類 | 1件あたり | 1TBに入る量の目安 |
|---|---|---|
| スマホ写真(1200万画素・JPEG) | 3〜5MB | 約20〜30万枚 |
| 一眼のRAW | 25〜50MB | 約2〜4万枚 |
| フルHD動画(30分) | 約2GB | 約500本 |
| 4K動画(30分) | 約8〜15GB | 約70〜125本 |
| 音楽(1曲・320kbps) | 約8MB | 約12万曲 |
| PDFの書類(20ページ) | 1〜3MB | 約35〜100万件 |
| PCゲーム(1本) | 30〜150GB | 約7〜30本 |
この表から分かるのは、容量を食うのは動画とゲームだけだということです。写真・書類・音楽は、よほどの量でなければ問題になりません。バックアップの計画も、まず動画をどう扱うかで決まります。
ダウンロード時間の見積もりが、実際とずれる理由
このツールの実効率スライダーは、理論値と実測の差を埋めるためのものです。差が生まれる原因を知っておくと、適切な値を選べます。
| 原因 | 影響 | 実効率の目安 |
|---|---|---|
| 通信のプロトコル上の情報(ヘッダー等) | 常に数%は目減りする | — |
| 配信側のサーバーが遅い | これが最も多い。自分の回線が速くても意味がない | 相手次第 |
| 同時に他の通信をしている | 帯域を分け合う | 50〜80% |
| Wi-Fi経由 | 電波状況で変動する | 40〜80% |
| 保存先ドライブの書き込み速度 | HDDだと100〜150MB/秒で頭打ち | — |
| ウイルス対策ソフトのスキャン | ダウンロード直後に走る | — |
目安として、有線で70〜80%、Wi-Fiで50〜70%を入れると実感に近くなります。それより大幅に遅い場合は、回線ではなく配信元か保存先が原因です。
よくある質問
実効率は何%に設定するのが現実的ですか?
有線接続で条件が良ければ80〜90%、Wi-Fi経由なら50〜70%、混雑する夜間のモバイル回線なら30〜50%あたりが目安です。既定の70%は、光回線をWi-Fiで使う一般的な家庭を想定した値にしています。
KB と KiB は、どちらを使うのが正しいのですか?
厳密には、1024倍の単位は KiB・MiB・GiB と書くのが国際規格(IEC 60027-2)に沿った表記です。ただし実務では2進の意味で「KB」と書く場面がまだ多く残っています。数字が合わないときは、まず両者を取り違えていないか疑うのが早道です。
スマホの通信量(ギガ)もこのツールで計算できますか?
できます。契約の「20GB」を入力すれば、実際に何MBのファイルを何個ぶんに相当するかが分かります。ただし携帯キャリアの表記は10進のGBが一般的です。
アップロード時間も同じ計算でいいですか?
考え方は同じですが、上りの速度を入力してください。光回線は上下同速のことが多い一方、ホームルーターやケーブルテレビ回線は上りが大幅に遅い場合があります。
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