「SoftBank Airって実際どうなの?」という質問に、スペック表ではなく自宅で実際に使った結果で答えます。私はエアターミナル5とエアターミナル6の両方を自宅で使い、その後 SoftBank光とコミュファ光にも乗り換えました。
結論から言うと、エアターミナル6は5Gを掴めれば下り1.2Gbpsという光回線並みの速度が出ます。それでもオンラインゲームは実用になりませんでした。この「速いのに使えない」という現象が、なぜ起きるのか。ホームルーターを検討している方にとって、ここがいちばん重要なポイントだと思います。
この記事で書いていること
すべて、私が自宅で実際に契約・使用して確認した内容です。公式サイトのスペックを引き写した部分はありません。ただし通信速度は電波状況・基地局の位置・建物の構造によって大きく変わるため、あくまで私の環境での結果としてお読みください。
この記事の前提(何を、どう使ったか)
速度の話は、環境を明示しないと意味がありません。私が使った環境は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 使用したホームルーター | SoftBank Air エアターミナル5 → エアターミナル6(どちらも自宅で使用) |
| その後に契約した光回線 | SoftBank光 / コミュファ光 ホーム1G |
| 測定に使った端末 | デスクトップPC(Core i7-10700F / メモリ32GB / Windows 11 Home)、iPhone 15 Pro |
| 用途 | Web開発、オンラインゲーム、動画視聴、ファイルのアップロード |
| 注意点 | 5G/4Gの掴み方は地域差が非常に大きいため、同じ機種でも結果は変わります |
先に結論
- エアターミナル6は、5Gを掴めれば下り1.2Gbps前後。光回線と遜色ない速度が出た
- ただし常に5Gではない。地域によっては4G電波が優先され、そのときは下り50Mbps前後まで落ちる
- 4G接続時は、エアターミナル5と6で体感差はほぼなかった。AT6の価値は「5Gを掴めるかどうか」に集約される
- 置き場所は効く。窓際に移したら速度が上がり、5Gを掴む確率も上がった
- 速度が出てもオンラインゲームは実用にならなかった。原因は速度ではなく遅延(レイテンシ)
- 夜間に極端に遅くなる現象は、私の環境では起きなかった
- 光回線に変えて一番変わったのは速度ではなく遅延の少なさ。ゲームが一気に快適になった
エアターミナル5と6は、実際どう違ったのか
5Gを掴めたときは、はっきり速い
エアターミナル6で5Gに接続できているとき、下り速度は1.2Gbps前後出ていました。これは光回線のホーム1Gプランと同等か、それ以上の数字です。しかも昼と夜で大きな差はなく、時間帯を問わずこの水準で安定していました。
「ホームルーターは遅い」という一般的なイメージとは、正直かなり違いました。少なくともダウンロード速度に関しては、光回線に負けていません。動画を4Kで見る、大きなファイルを落とす、といった用途なら何の不満もありませんでした。
問題は「常に5Gではない」こと
ここが最大の注意点です。エアターミナル6は5G対応機ですが、常に5Gに接続されているわけではありません。住んでいる地域や設置場所によっては、4Gの電波が優先されてしまうことがあります。
そして4Gに落ちたときの速度は、下り50Mbps前後。1.2Gbpsから50Mbpsですから、20倍以上の差です。この落差が、ホームルーターの評価が人によって真っ二つに割れる理由だと思います。「めちゃくちゃ速い」と言う人と「全然ダメ」と言う人は、たぶん同じ機種で違う電波を掴んでいます。
4G接続時は、AT5とAT6に体感差はなかった
率直に言って、4Gで繋がっている限り、エアターミナル5とエアターミナル6の差は体感できませんでした。つまりエアターミナル6に買い替える価値は、「自宅で5Gを掴めるかどうか」にほぼ100%依存します。
買い替えを検討している方へ
お住まいの地域が5Gエリアに入っているか、SoftBankの公式エリアマップで必ず先に確認してください。エリア内でも、建物の構造や部屋の向きによって掴めないことがあります。5Gが期待できない地域なら、AT5からAT6への買い替えで速度が上がる可能性は低いというのが、実際に両方使った私の実感です。
置き場所を変えたら、実際に速くなった
これは試す価値があります。私の場合、本体を窓際に移動させたら速度が上がり、5Gを掴む確率も明確に上がりました。
ホームルーターは、屋外の基地局から届く電波を室内で受け取る仕組みです。壁やコンクリートは電波を減衰させるので、外との間に障害物が少ない場所ほど有利になります。特に5Gで使われる高い周波数帯は、4Gよりも障害物に弱い性質があります。
- 窓際に置く(外向きの窓のそば、カーテンの内側でも可)
- 床に直置きせず、机や棚の上など高い位置に置く
- 金属製の棚やラックの中に入れない
- 基地局の方向が分かるなら、その方角の窓側に寄せる
- 場所を変えるたびに速度を測って比べる
速度の変化を確認するには、当サイトの ネット回線かんたん診断 や、姉妹サイト 通信の匠 の回線速度測定が使えます。置き場所を1か所変えるごとに測ると、違いがはっきり数字で出ます。
下り1.2Gbps出ているのに、オンラインゲームができない
ここがこの記事でいちばん伝えたいことです。エアターミナル6で1.2Gbps出ている状態でも、オンラインゲームは実用になりませんでした。
速度が出ているのになぜ、と思われるかもしれません。理由は、オンラインゲームで効くのは「速度」ではなく「遅延(レイテンシ)」だからです。
速度と遅延は、まったく別の指標
この2つはよく混同されますが、測っているものが違います。
| 指標 | 何を表すか | たとえるなら | 影響が大きい用途 |
|---|---|---|---|
| 速度(Mbps) | 1秒間に運べるデータ量 | 道路の車線数 | 動画の画質、大きなファイルの転送 |
| 遅延(ms) | データが往復するのにかかる時間 | 信号待ちの回数 | オンラインゲーム、ビデオ通話、Web操作の反応 |
道路が10車線あっても、信号で毎回止まれば目的地には遅く着きます。ホームルーターは「車線は多いが信号が多い道」だと考えると分かりやすいと思います。動画は事前にデータを先読みできるので車線数がものを言いますが、ゲームは「今のボタン入力を今すぐ届ける」必要があるため、信号の少なさ=遅延の小ささが決定的になります。
なぜホームルーターは遅延が大きくなるのか
光回線は、自宅から局舎まで物理的な光ファイバーで直結されています。一方ホームルーターは、次のような経路をたどります。
- 本体が電波を発信し、屋外の基地局に届ける(ここで無線区間の遅延が発生)
- 基地局からモバイルコアネットワークを経由する(有線より処理が多い)
- そこからインターネットに出る
- 応答が同じ経路を逆にたどって戻ってくる
無線区間と、モバイル網特有の処理が往復で挟まるぶん、どうしても遅延が積み上がります。しかも電波状況によって遅延の大きさが揺れるため、「ゆらぎ(ジッター)」も大きくなりがちです。ゲームでは、平均遅延が大きいことよりも、この揺れのほうが体感を悪くします。急にワープする、入力が飛ぶ、といった現象の正体です。
検討中の方への実感
動画視聴・Web閲覧・仕事のファイルのやりとりが中心なら、SoftBank Airは(5Gが掴めるなら)十分すぎる性能です。ただし対戦型のオンラインゲームをやるなら、速度の数字がいくら出ていても期待しないほうがいいというのが、実際に使った結論です。ここはスペック表を見ても分かりません。
光回線に変えて、いちばん変わったのは速度ではなかった
SoftBank Airから光回線に乗り換えたとき、いちばん大きく変わったのは遅延の少なさでした。
下り速度の数字だけを見れば、5Gが掴めていたときのエアターミナル6と光回線に、そこまで劇的な差はありません。ところが実際に使うと体験がまったく違います。遅延がほとんどないので、オンラインゲームが一気に快適になりました。入力に対する反応が素直で、揺れもない。「回線を変えるとこんなに違うのか」と実感したのはこの点です。
Webページの表示も、体感でキビキビします。1ページ表示するのに数十回の通信が発生するため、1回あたりの遅延がわずかに減るだけでも積み上がって体感差になります。「速度は足りているのに、なんとなくもっさりする」という人は、遅延を疑ってみる価値があります。
自分の回線の遅延とゆらぎは、ネット回線かんたん診断 で実測できます。速度ではなく応答時間を見るツールなので、この記事の内容をそのまま自分の環境で確認できます。
コミュファ光とSoftBank光、使った印象の違い
その後、SoftBank光とコミュファ光(ホーム1G)の両方を使いました。どちらも光回線なので基本性能は高いですが、印象は少し違いました。
| コミュファ光 ホーム1G | SoftBank光 | |
|---|---|---|
| 速度の印象 | 安定して高速。ムラが少ない | 十分速いが、コミュファ光のほうが上に感じた |
| 安心感 | 中部地方限定の独自回線 | NTT系の回線を使っているため、対応や情報が多く安心感がある |
| 提供エリア | 中部地方(愛知・岐阜・三重・静岡・長野)が中心 | 全国 |
| 私の総合評価 | 速度重視ならこちら | エリアや情報の多さを重視するならこちら |
コミュファ光は中部電力系の独自回線で、NTTのフレッツ光網を使っていません。利用者が集中する共用区間の構造が違うため、混雑の影響を受けにくく、速度が安定して高いという体感につながっているのだと思います。ただし提供エリアが中部地方に限られるため、そもそも選べる人が限られます。
一方SoftBank光はNTT系の回線を使っているぶん、全国で使え、トラブル時の情報も見つけやすい安心感があります。「速度の最大値」よりも「どこでも使える・情報が多い」を取るなら、こちらが無難です。
結局、SoftBank Airは誰に向いているのか
両方を使ったうえでの、私なりの線引きです。
向いている人
- 5Gエリア内に住んでいる(これが最大の条件。ここが外れると評価が一変します)
- 賃貸などで回線工事ができない・したくない
- 引っ越しが多く、回線を持ち運びたい
- 用途が動画視聴・Web閲覧・仕事のファイルのやりとりが中心
- すぐにネットを使いたい(工事の待ち時間が発生しない)
向いていない人
- 対戦型のオンラインゲームをやる(速度の数字が出ていても、遅延で厳しい)
- ビデオ会議で音声が途切れると困る仕事をしている
- 5Gエリア外、または建物の構造上5Gを掴みにくい
- 大量のデータをアップロードする用途がある
- 工事ができる環境にあり、長く同じ場所に住む予定がある
これから自分が選ぶなら
もう一度自分で選び直すなら、コミュファ光の10Gプラン(ゲーミングカスタム)を選びます。速度と遅延の両方で、これまで使った中では最も満足度が高い構成でした。
ただしこれは「中部地方に住んでいて、工事ができる」という前提があってこその選択です。エリア外の方や工事ができない方にとっては、そもそも選択肢に入りません。回線選びは「一番良いものを選ぶ」よりも「自分の条件で選べるものの中から、用途に合うものを選ぶ」ほうが現実的です。
回線選びの優先順位
- 工事ができるか(できないならホームルーター一択)
- オンラインゲームをするか(するなら光回線一択)
- 住んでいるエリアで何が使えるか(独自回線が使えるなら有力)
- そのうえで料金を比べる
料金から入ると、あとで「安いけど使えない」になりがちです。用途と条件を先に決めるほうが失敗しません。
よくある質問
エアターミナル6にすれば必ず速くなりますか?
いいえ。5Gを掴めるかどうかで結果が変わります。私の環境では、4G接続のままだとエアターミナル5と体感差はありませんでした。5Gエリアかどうかを先に確認してください。
夜になると遅くなりますか?
私の環境では、夜間に極端に遅くなる現象は起きませんでした。時間帯を問わず、5G接続時は1.2Gbps前後で安定していました。ただしこれは基地局の混雑状況によるため、地域差が大きい部分です。
速度は出ているのにゲームがカクつきます
速度ではなく遅延とゆらぎが原因の可能性が高いです。ネット回線かんたん診断 で応答速度とジッターを測ってみてください。ジッターが大きい場合、ホームルーターの構造上の限界であることが多く、設定変更では解決しません。
置き場所を変えるだけで本当に変わりますか?
変わります。私の場合は窓際に移しただけで速度が上がり、5Gを掴む確率も上がりました。費用ゼロで試せる対策なので、最初にやるべきことだと思います。
まとめ
エアターミナル5と6を両方使い、その後光回線に移った経験からの結論です。
- エアターミナル6は5Gを掴めれば下り1.2Gbps前後。光回線と戦える速度が出る
- ただし常時5Gではない。4Gに落ちると50Mbps前後で、AT5との差もなくなる
- 置き場所(特に窓際)で結果が変わる。まずここを試す価値がある
- 速度が出てもオンラインゲームは厳しい。効くのは速度ではなく遅延
- 光回線に変えて一番変わったのは、速度ではなく遅延の少なさ
- 速度重視ならコミュファ光、エリアと安心感ならSoftBank光
「ホームルーターは遅い」も「ホームルーターで十分」も、どちらも部分的にしか正しくありません。5Gを掴めるかどうかと、何に使うか。この2点で答えが変わります。この記事が、その判断の材料になれば幸いです。
