「ネットが遅い」と感じたとき、多くの人がまず速度測定サイトで数値を見ます。ところが、そこで出た「下り80Mbps」という数字だけでは、何を直せばいいのかが分かりません。速度が出ているのに遅い、ということも普通に起こります。
このツールは、数値を出すことより原因を1か所に絞ることを目的にしています。ブラウザの中だけで応答速度とゆらぎを実測し、そのうえでいくつかの質問に答えていただくと、原因が「回線」「Wi-Fiの電波」「端末」「相手側」「DNS」のどこにあるかを切り分けて、次にやるべき手順まで表示します。
ネット回線かんたん診断ツール
ブラウザの中だけで通信の応答速度を実測し、そのうえで「遅さの原因がどこにあるか」を質問に答えるだけで切り分けます
計測は、お使いのブラウザと当サイトのサーバーの間だけで行われます。結果が外部に送信されることも、保存されることもありません。速度測定サイトのような大容量ダウンロードは行わないため、通信量はごくわずか(数百KB程度)です。モバイル回線でも安心して実行できます。
なぜ「速度」ではなく「応答速度」を測るのか
体感の遅さは、実はダウンロード速度よりも応答速度(レイテンシ)に強く左右されます。
Webページを1枚表示するには、HTML・CSS・JavaScript・画像と、数十回のやりとりが発生します。1回のやりとりに200ms余計にかかると、それが積み重なって「なんとなく重い」という体感になります。逆に、下り1Gbpsの回線でも応答が300msあれば、ページ表示はもっさりします。
「速度測定では速いのに、実際に使うと遅い」という現象は、ほぼこれが原因です。だからこのツールは、まず応答速度と、そのばらつき(ジッター)を見ます。
数値の目安
| 指標 | 良好 | やや遅い | 問題あり | 影響が出るもの |
|---|---|---|---|---|
| 応答速度(RTT) | 〜80ms | 80〜200ms | 200ms〜 | ページ表示の体感、ゲームの操作遅延 |
| ジッター(ゆらぎ) | 〜30ms | 30〜90ms | 90ms〜 | ビデオ会議の音声途切れ、ゲームのラグ |
| 実効スループット | 25Mbps〜 | 8〜25Mbps | 〜8Mbps | 動画の画質、大きなファイルの転送 |
なお、動画視聴に必要な速度は意外と小さく、フルHD(1080p)で5Mbps前後、4Kでも25Mbps程度です。「1Gbpsの回線じゃないと動画が見られない」ということはありません。
「遅い」の原因は、だいたいこの5つのどれか
1. 回線そのものが混んでいる
夜21時〜23時だけ極端に遅くなるなら、ほぼこれです。特に PPPoE 接続のままの光回線は、プロバイダの接続装置に利用者が集中して詰まります。IPv6 IPoE(v6プラス、transixなど)に切り替えると、この渋滞を迂回できます。ホームルーター(SoftBank Air など)の場合は、基地局側の混雑が同じように効いてきます。
2. Wi-Fiの電波が届いていない
有線では速いのに無線だと遅い場合はこれです。2.4GHz帯は電子レンジ・Bluetooth・近隣のWi-Fiと干渉しやすく、5GHz帯は速い代わりに壁に弱いという性質があります。ルーターを床や棚の裏に置いているだけで、体感が大きく変わります。
3. ルーターが限界を迎えている
意外と多い原因です。長期間つけっぱなしのルーターは、発熱とメモリの断片化で処理能力が落ちます。まず電源を抜いて2分待つ。これで直るケースは想像以上に多いです。5年以上前の機種であれば、同時接続台数の性能不足も疑ってください。
4. 端末側が重い
1台だけ遅いならここです。メモリ不足、ストレージの空き不足、バックグラウンドの自動更新、セキュリティソフトの通信検査などが典型です。ネットワークを疑う前にタスクマネージャーを開いてください。
5. 相手側(サイト)が遅い
これは自分では直せません。ただし、切り分けができていれば「自分の環境をこれ以上いじる必要はない」と判断できます。それだけでも時間の節約になります。
やってはいけない対処法
- いきなり回線を乗り換える…原因がWi-Fiやルーターにある場合、乗り換えても何も変わりません。工事費と違約金だけが残ります
- 「高速化ソフト」を入れる…効果がないどころか、常駐が増えてかえって重くなるものがあります
- 中継機を安易に追加する…中継機は電波を受けて送り直すため、設置場所を誤ると実効速度が半分近くまで落ちます。広い家ではメッシュWi-Fiのほうが確実です
- DNSを変えれば速くなると思い込む…DNS変更が効くのは「名前解決が遅い」ケースだけです。全体的に遅い場合には効きません
ジッターとパケットロス|速度より効く2つの数字
「速度は出ているのに、通話が途切れる」「ゲームでラグを感じる」。この場合に見るべきなのは、下り速度ではなく応答のばらつき(ジッター)とパケットロスです。
| 指標 | 良好 | 許容 | 問題あり | 体感への影響 |
|---|---|---|---|---|
| 応答速度(ping) | 20ms以下 | 50ms以下 | 100ms超 | 操作に対する反応の遅さ |
| ジッター(ばらつき) | 5ms以下 | 20ms以下 | 30ms超 | 音声の途切れ、映像のカクつき |
| パケットロス | 0% | 0.1%未満 | 1%超 | 会話が飛ぶ、接続が切れる |
ジッターが大きいと、平均の応答速度が良くても体感は悪くなります。データが一定の間隔で届かないため、受け取り側が待ち時間を長めに確保する必要があり、結果として遅延が増えるからです。ビデオ会議で「自分の声が途切れると言われる」場合は、まずここを疑ってください。
有線と無線を測り分けて、原因を確定させる
このツールで数値が悪かったとき、原因が回線側なのかWi-Fi側なのかを確定させる手順です。順番が重要です。
| 順番 | 測る条件 | 結果の読み方 |
|---|---|---|
| 1 | PCをルーターにLANケーブルで直結して測る | ここで悪ければ回線・プロバイダ側。Wi-Fi機器を買い替えても改善しない |
| 2 | ルーターのすぐ横で、Wi-Fiで測る | 1と大差なければWi-Fi機器は正常 |
| 3 | 困っている部屋で、Wi-Fiで測る | 2より大きく落ちるなら電波の届き方の問題 |
| 4 | スマホのモバイル回線(Wi-Fiオフ)で測る | ここが良好なら、自宅の環境に原因がある |
| 5 | 時間帯を変えて1と同じ条件で測る | 夜だけ悪いなら回線の混雑。接続方式の確認へ |
測る前に必ず控えておくこと。対策の前後で比べるために、いまの数値を記録しておいてください。「なんとなく良くなった気がする」では、機器を買った判断が正しかったのか分かりません。日付・測定場所・接続方法・数値の4点をメモしておけば、あとから判断できます。
回線種別ごとの、実測値の目安
自分の数値が妥当かどうかを判断する材料です。契約上の最大速度ではなく、実際に出ることが多い範囲を示します。
| 回線 | 下り速度の実測レンジ | 応答速度の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 光回線(戸建て・1Gbps契約) | 200〜900Mbps | 5〜20ms | 接続方式で夜間が大きく変わる |
| 光回線(集合住宅・光配線) | 100〜600Mbps | 5〜25ms | — |
| 光回線(集合住宅・VDSL) | 50〜90Mbps | 10〜30ms | 建物の配線が上限。契約では変えられない |
| ホームルーター(5G) | 50〜700Mbps | 30〜60ms | 電波状況で大きく変動する |
| モバイル回線 | 20〜300Mbps | 30〜80ms | 場所と時間帯に依存 |
集合住宅で50〜90Mbpsから動かない場合、建物の配線方式がVDSLである可能性が高いと考えてください。この場合はルーターを買い替えても改善しません。詳しくは光回線とIPv6の記事にまとめています。
よくある質問
測定した結果は保存されますか?
いいえ。計測も判定もすべてブラウザの中で完結しており、結果がサーバーに送信されることも保存されることもありません。ページを閉じれば結果は消えます。
通信量はどのくらい使いますか?
数百KB程度です。一般的な速度測定サイトは数十MB〜数百MBを消費しますが、このツールは小さなファイルの往復時間を測る方式のため、モバイル回線でも安心して実行できます。
「実効スループット」が表示されないことがあります
計測に十分なサイズの素材がページ内に見つからない場合に表示されません。応答速度とジッターの判定は問題なく行われます。より正確な速度測定が必要な場合は、姉妹サイト 通信の匠 の回線速度測定をご利用ください。
もっと詳しく調べたいのですが
姉妹サイト 通信の匠 に、回線速度測定・Ping測定・DNS Lookup・Whois・SSL証明書確認・ポート開放チェック・IPv6接続判定など12種類のツールを公開しています。原因の目星がついたあとの詳細確認に使ってください。
あわせて読みたい
あわせて使える無料ツール
- データ量・通信速度の変換ツール — KB・MB・GBの単位換算