繋がってはいるが、しばらくすると切れる。会議中に落ちる、ダウンロードが途中で止まる。この症状は「いつ・どこで切れるか」を記録するだけで、原因をかなり絞り込めます。
この記事では、切れ方のパターンから原因を特定し、PC側・ルーター側・環境側それぞれの対処を解説します。
切れ方のパターンから原因を絞る
まず数日、切れたときの状況をメモしてください。次のどれに当てはまるかで、疑うべき場所が変わります。
| 切れ方 | 疑う原因 | この記事で読む場所 |
|---|---|---|
| 放置していると切れる | アダプタの省電力設定 | 「省電力」の章 |
| 決まった時間帯に切れる | 電波干渉、回線の混雑 | 「干渉」の章 |
| 特定の部屋でだけ切れる | 電波が届いていない | 「電波強度」の章 |
| ランダムに切れる | IPの重複、ルーターの不調 | 「ルーター側」の章 |
| 全端末が同時に切れる | ルーターまたは回線 | 「ルーター側」の章 |
| このPCだけ切れる | ドライバ、省電力 | 「省電力」「ドライバ」の章 |
| スリープ復帰後に繋がらない | 電源管理 | 「省電力」の章 |
他の端末も同時に切れるかどうかが最大の分岐点です。スマホも同時に切れるならルーターか回線、PCだけならPC側。これを確認せずに設定をいじると、見当違いの場所を触ることになります。
PC側:アダプタの省電力設定
ノートPCで最も多い原因です。バッテリーを節約するため、Windowsが無線アダプタへの給電を絞ります。
- スタートボタン右クリック →「デバイス マネージャー」
- 「ネットワーク アダプター」を展開し、無線アダプタ(Wireless、Wi-Fi などを含む名前)を右クリック →「プロパティ」
- 「電源の管理」タブを開く
- 「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外す
- 「OK」で閉じる
あわせて、電源プラン側も確認します。コントロールパネル →「電源オプション」→「プラン設定の変更」→「詳細な電源設定の変更」→「ワイヤレス アダプターの設定」→「省電力モード」を「最大パフォーマンス」にします。
| 設定 | 効果 | 副作用 |
|---|---|---|
| アダプタの電源オフを無効化 | 放置後の切断がなくなる | バッテリー消費がわずかに増える |
| ワイヤレスを最大パフォーマンスに | 電波が弱い環境で安定する | バッテリー消費が増える |
| 高速スタートアップを無効化 | 復帰時の不具合が減る | 起動がやや遅くなる |
スリープからの復帰時にだけ繋がらない場合は、高速スタートアップも疑ってください。設定方法は起動が遅いときの対処で解説しています。
環境側:電波強度と干渉
今の電波状態を数値で見る
スタートボタン右クリック →「ターミナル」で次を実行します。
netsh wlan show interfaces
| 項目 | 見方 | 判断 |
|---|---|---|
| シグナル | %表示 | 70%未満なら設置場所の見直し |
| 受信速度・送信速度 | Mbps | 極端に低いなら電波が弱い |
| 無線の種類 | 802.11ax / ac / n など | nならWi-Fi 4で古い |
| チャネル | 番号 | 近隣と重なっていると不安定 |
| 帯域 | 2.4 / 5 GHz | 2.4GHzは干渉を受けやすい |
干渉源になりやすいもの
- 電子レンジ(使用中だけ切れるならほぼこれ)
- Bluetooth機器、無線マウスのUSBレシーバー
- コードレス電話の親機
- 隣室・隣家のWi-Fi(集合住宅で顕著)
- 水槽、金属製の棚、コンクリートの壁
2.4GHz帯を使っているなら、5GHz帯のSSIDへ接続し直すだけで解決することがよくあります。SSID名の末尾に「-A」「-5G」が付いているものが5GHz帯である場合が多くなっています。ただし5GHzは壁に弱いため、遠い部屋では逆効果になります。
部屋によって届かない場合の対策はメッシュWi-Fiと中継器の違いで比較しています。
ルーター側の確認
全端末が同時に切れる場合、原因はここです。
| 確認項目 | やり方 | よくある原因 |
|---|---|---|
| 本体の熱 | 触って熱くないか。周囲に空間があるか | 夏場に多い。熱で不安定になる |
| 設置場所 | 床置き・棚の中・家電の近くでないか | 電波が遮られる |
| ファームウェア | 設定画面で更新の有無を確認 | 古いまま放置されていることが多い |
| 接続台数 | 設定画面の接続機器一覧 | 安価な機種では10台前後で不安定になる |
| チャンネル設定 | 自動になっているか | 固定のまま混雑帯に居座っている |
| 使用年数 | 購入時期 | 5年以上なら経年による不調も |
IPアドレスの重複
手動でIPを設定した機器と、ルーターが自動で配るIPが衝突すると、断続的に切れます。プリンターやNASを固定IPにしている場合に起こりやすい問題です。ルーターが自動で配る範囲(DHCPの範囲)の外側に固定IPを置いてください。範囲の確認にはサブネット計算が使えます。
ルーターとONU(回線終端装置)の再起動は、順番があります。両方の電源を抜き、1分待ってからONU → ルーターの順に入れてください。同時に入れると、ルーターが回線情報を取得できないことがあります。
ドライバとネットワーク設定のリセット
ここまでで直らない場合の手順です。
- デバイスマネージャーで無線アダプタを右クリック →「ドライバーの更新」
- 改善しなければ、PCメーカーのサポートページから最新のドライバを直接入手して適用する
- それでも直らなければ、設定 → ネットワークとインターネット →「ネットワークの詳細設定」→「ネットワークのリセット」
ネットワークのリセットを実行すると、保存済みのWi-Fiパスワードやネットワーク設定がすべて消えます。再接続に必要なパスワードを手元に用意してから実行してください。VPNの設定も削除されます。
ドライバの更新後に悪化した場合は、プロパティの「ドライバー」タブにある「ドライバーを元に戻す」で直前の状態へ戻せます。
よくある質問
Q. 有線にすると切れません。
Wi-Fi側の問題と確定します。省電力設定と電波干渉から確認してください。
Q. スマホは切れず、PCだけ切れます。
PC側です。アダプタの省電力設定が最有力で、次にドライバです。
Q. 「インターネットなし、セキュリティ保護あり」と出ます。
ルーターとは繋がっているが、その先へ出られていない状態です。ルーターとONUの再起動、それでも直らなければ回線側の障害を疑ってください。
Q. 夜だけ遅くなり、切れることもあります。
回線の混雑です。IPv6(IPoE)に対応した契約とルーターであれば改善することがあります。詳しくは光回線とIPv6で扱っています。
Q. ルーターを買い替えるべき目安はありますか。
5年以上使っている、Wi-Fi 4(802.11n)止まり、接続台数が10台を超えている、のいずれかに当てはまるなら検討する価値があります。選び方はWi-Fiルーターの選び方にまとめています。
チャンネルの混雑を確認して変える
集合住宅では、近隣のWi-Fiと同じチャンネルを使っていることで不安定になります。とくに2.4GHz帯は使えるチャンネルが少なく、重なりやすくなっています。
| 帯域 | 使えるチャンネル | 重なりにくい組み合わせ | 混雑度 |
|---|---|---|---|
| 2.4GHz | 1〜13 | 1/6/11 | 高い |
| 5GHz(W52・W53) | 36〜64 | 多い | 中 |
| 5GHz(W56) | 100〜140 | 多い | 低い |
| 6GHz(Wi-Fi 6E) | 多数 | 多い | 非常に低い |
2.4GHzでは、1・6・11以外のチャンネルは隣のチャンネルと電波が重なります。近隣が3や8を使っていると、こちらが1でも干渉を受けます。ルーターの「自動」設定でも、起動時に決めたまま変えない機種があるため、手動で空いているチャンネルに変える価値があります。
5GHzで「一時的に切れる」場合
5GHz帯のうちW53とW56の周波数は、気象レーダーと共用しています。レーダーを検出すると、電波法上ルーターは一定時間その周波数の使用を停止します(DFS)。空港や気象レーダーの近くでは、この動作で1分程度切れることがあります。この場合はW52(36〜48ch)に固定すると回避できます。
チャンネルの変更はルーターの設定画面で行います。変更後は全端末が一度切断されます。作業中でないタイミングで行ってください。
認証方式が原因のケース
| 状況 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 古い機器だけ繋がらない | WPA3のみに設定されている | WPA2/WPA3混在モードにする |
| 接続後すぐ切れる | パスワードの不一致 | 再入力する |
| 「保存済み」のまま繋がらない | 古い接続情報が残っている | ネットワークを削除して再登録 |
| 特定の端末だけ弾かれる | MACアドレスフィルタリング | ルーターの許可一覧を確認 |
| ゲスト用に繋がっている | SSIDの選択違い | メインのSSIDに接続 |
ルーターを買い替えた直後に古い機器が繋がらない場合、暗号化方式が原因であることが多くあります。WPA3のみの設定では、対応していない古い端末は接続できません。混在モードにすれば両方使えます。
保存済みネットワークを削除して繋ぎ直す
- 設定 →「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」→「既知のネットワークの管理」
- 該当のネットワークを選び「削除」
- Wi-Fi一覧から選び直し、パスワードを入力して接続
ルーターの設定を変えたあとに繋がらなくなる場合、PC側が古い情報を保持していることが原因です。この手順で解決します。ルーター選びの基準はWi-Fiルーターの選び方にまとめています。
この症状と間違えやすいもの
似た見え方をするが原因がまったく違う症状です。当てはまるなら、そちらの記事へ進んでください。
| 見え方 | 実際の原因 | 読む記事 |
|---|---|---|
| 切れないが常に遅い | 速度側の問題 | ネットワークが遅いときの切り分け |
| 特定の部屋だけ弱い | 電波の到達範囲 | メッシュWi-Fiと中継器の違い |
| 夜だけ極端に遅い | 回線の混雑 | 光回線とIPv6の重要性 |
| Bluetooth機器も同時に不安定 | 2.4GHz帯の干渉 | Bluetoothが接続できないときの対処 |
| 会議のときだけ不安定 | 上り速度の不足 | マイク・カメラが使えないときの対処 |
症状の分類を間違えると、正しい対処をしても直りません。迷った場合はPCトラブル症状別ガイドの一覧から選び直してください。
参照した一次情報
- Microsoft Learn(無線アダプタの電源管理とネットワーク設定に関する公式ドキュメント)
- Microsoft サポート(Windows)(Wi-Fi接続のトラブルシューティング手順)
※ 掲載内容は2026年8月時点の公表情報にもとづきます。最新の情報は必ず各公式ページでご確認ください。
▶ 症状が違う場合:PCトラブル症状別ガイド — いま起きている症状から、該当する記事に直接たどり着けます
まとめ
Wi-Fiが切れるときは、まず「他の端末も同時に切れるか」を確認してください。ここでPC側かルーター側かが決まります。
PCだけなら、アダプタの省電力設定を無効にするのが最も効きます。全端末なら、ルーターの熱・設置場所・ファームウェア・接続台数。放置後に切れるなら省電力、時間帯で切れるなら干渉か混雑、部屋によるなら電波強度です。切れた時刻と状況を数日メモするだけで、原因はほぼ絞れます。
