パソコンの時刻がずれるときの対処|同期に失敗する・毎回戻る場合も

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記事タイトル画像:パソコンの時刻がずれる — タイムゾーン・同期・内蔵電池を切り分ける

時計が数分ずれている、日付が何年も前に戻っている、同期ボタンを押しても直らない。時刻のずれは、単に不便なだけでなく、Webサイトが開けなくなったりログインに失敗したりする原因になります。暗号化された通信は、時刻を使って証明書の有効期間を確認しているためです。

この記事では、ずれ方から原因を絞り、同期の設定から部品の交換まで順に解説します。

Windowsの時計がずれる原因を切り分ける手順の図CLOCK FIXSTEP 1ずれ方を見る数時間ちょうどか少しずつずれるか所要 1分STEP 2設定を確認タイムゾーンと自動同期先のサーバー所要 3分STEP 3原因別に対処同期の失敗/サービス内蔵電池の消耗所要 10分「ちょうど数時間ずれる」ならタイムゾーン、「少しずつずれる」なら同期か電池を疑います。
時計がずれるときの切り分け。ずれ方のパターンから、タイムゾーンの設定か、同期の失敗か、内蔵電池の消耗かを判別する。

ずれ方から原因を絞る

ずれ方原因この記事で読む場所
ちょうど数時間ずれるタイムゾーンの設定「タイムゾーン」の章
数分〜数十分ずれる同期していない「同期」の章
日付が何年も前に戻るボタン電池の消耗「電池」の章
起動のたびに戻る同上「電池」の章
徐々にずれていく同期の間隔が長い「同期」の章
同期ボタンを押すと失敗するサービスの停止、サーバー到達不可「同期に失敗」の章
デュアルブート環境でずれる他OSとの時刻の扱いの違い「その他」の章

「9時間ずれる」は日本時間とUTCの差です。タイムゾーンの設定を確認してください。時刻そのものは合っているので、部品の故障ではありません。

時刻がずれると何が起きるか

単なる不便では済まないため、優先度を上げて対処する価値があります。

起きること理由
Webサイトが開けない証明書の有効期間の検証に失敗する
ログインできない認証のトークンが期限切れと判定される
二段階認証のコードが通らない時刻に基づいてコードを生成しているため
Windows Updateが失敗するサーバーとの通信で検証に失敗する
メールの並び順がおかしくなる送受信時刻が実際と異なる
ファイルの更新日時が狂う検索や並べ替えに影響する
ライセンス認証が通らない有効期限の判定に影響する

「サイトが開けない」「ログインできない」という相談の原因が、実は時刻のずれだったというケースがあります。証明書エラーが出ている場合は、まず時計を確認してください。

二段階認証アプリのコードが通らない場合も同じ理由です。仕組みは二段階認証とはで解説しています。

タイムゾーンの確認

  1. 設定 →「時刻と言語」→「日付と時刻」
  2. 「タイムゾーン」が「(UTC+09:00) 大阪、札幌、東京」になっているか確認
  3. 違っていれば選び直す
  4. 「タイムゾーンを自動的に設定する」がオンの場合、位置情報が誤っている可能性があるためオフにして手動指定する
設定推奨理由
時刻を自動的に設定するオン同期が有効になる
タイムゾーンを自動的に設定するオフ(手動で東京)位置情報の誤りを避ける
夏時間に合わせて自動的に調整オフ日本では夏時間を使用しない

VPNを使っていると、接続先の国に応じてタイムゾーンが自動変更されることがあります。「タイムゾーンを自動的に設定する」をオフにして東京を手動指定すると、この影響を受けなくなります。VPNの仕組みはVPNとはで解説しています。

時刻の同期を確認する

Windowsは、インターネット上の時刻サーバーに問い合わせて時計を合わせています。この仕組みが動いていないと、徐々にずれていきます。

  1. 設定 →「時刻と言語」→「日付と時刻」
  2. 「時刻を自動的に設定する」をオンにする
  3. 下部の「追加の設定」にある「今すぐ同期」をクリック
  4. 「前回の同期に成功した時刻」が更新されるか確認

同期の間隔を短くする

既定では約1週間に1度しか同期しません。徐々にずれていく環境では、この間隔を短くすると安定します。ただしレジストリの変更が必要なため、まず他の原因を確認してから検討してください。

同期サーバー特徴
time.windows.com既定。届かない環境がある
ntp.nict.jp日本の標準時を提供する公的機関のサーバー
ntp.jst.mfeed.ad.jp国内向けに広く使われている

コントロールパネル →「日付と時刻」→「インターネット時刻」タブ →「設定の変更」から、サーバーを変更できます。既定のサーバーで同期できない場合、国内のサーバーに変更すると成功することがあります。

同期に失敗する場合

原因確認対処
サービスが停止しているservices.msc →「Windows Time」「開始」して、スタートアップの種類を「自動」に
サーバーに届かないネットワークの状態別のサーバーに変更する
ファイアウォールがブロックセキュリティソフトの設定NTP通信の許可を確認
ずれが大きすぎる日付が何年もずれている手動で近い時刻に合わせてから同期
企業ネットワーク内社内のサーバーを使う設定管理者に確認

Windows Timeサービスを再起動する

  1. Windowsキー+R →「services.msc」→ Enter
  2. 一覧から「Windows Time」を探す
  3. 右クリック →「プロパティ」
  4. 「スタートアップの種類」を「自動」に変更
  5. 「開始」ボタンを押す
  6. 「OK」で閉じ、もう一度同期を試す

ずれが極端に大きい場合、同期そのものが拒否されることがあります。その場合は「時刻を自動的に設定する」をいったんオフにして手動でおおよその時刻に合わせ、それからオンに戻して同期してください。

日付が大きく戻る場合はボタン電池

PCは電源を切っている間、マザーボード上のボタン電池で時計を動かしています。この電池が切れると、電源を切るたびに時刻がリセットされます。

症状ボタン電池が原因の可能性
起動のたびに日付が数年前に戻る非常に高い
BIOS/UEFIの設定が保存されない非常に高い
起動時にエラーメッセージが出る高い
数分程度のずれ低い(同期の問題)
電源を入れたままならずれない高い
機種交換の可否目安
デスクトップPC自分で交換できることが多いCR2032が一般的。数百円
ノートPC分解が必要な機種が多いメーカーや修理業者へ
一体型PC分解が必要同上

デスクトップPCの場合、電源ケーブルを抜いて放電してから、マザーボード上のコイン型電池を交換します。作業前に静電気を逃がし、電源は必ず抜いてください。ノートPCは分解が保証対象外になる機種があるため、購入から日が浅い場合はメーカーに相談してください。

ボタン電池の寿命は一般に数年です。5年以上使っているPCで日付が戻るようになったら、まずこれを疑ってください。

そのほかの原因

状況原因対処
他のOSと併用している時計の扱い方の違いどちらかの設定を合わせる
仮想マシン内でずれるホストとの同期設定仮想化ソフト側で設定
社内PCでずれる社内サーバーとの同期管理者に確認
時刻は合うが表示形式が違う地域の設定設定 → 時刻と言語 → 言語と地域
スリープ復帰後にずれる電源管理同期を実行して確認

WindowsとLinuxを1台で使い分けている場合、時計の解釈が異なるため、切り替えるたびに時刻がずれることがあります。どちらか一方の設定を変えることで揃えられます。

この症状と間違えやすいもの

似た見え方をするが原因がまったく違う症状です。当てはまるなら、そちらの記事へ進んでください。

見え方実際の原因読む記事
Webサイトの証明書エラーが出る時刻のずれが原因のことがある本記事の内容
ネットに繋がらないネットワーク側の問題ネットワークが遅いときの切り分け
更新が失敗する更新側の問題Windows Updateが遅い・終わらない
BIOSの設定も保存されないボタン電池の消耗電源は入るのに画面が映らないとき
ログインできないパスワードまたは認証の問題パスワード管理

症状の分類を間違えると、正しい対処をしても直りません。迷った場合はPCトラブル症状別ガイドの一覧から選び直してください。

閏秒が原因で時刻がずれることはあるか

結論から書くと、家庭や職場のパソコンで、閏秒が原因で時刻がずれることはまずありません。理由は2つあります。

ひとつは、閏秒がもう長い間入っていないことです。閏秒は地球の自転の遅れとUTC(協定世界時)のずれを1秒単位で埋める調整で、1972年の導入以降に27回、すべて1秒を足す向きで行われてきました。ただし直近の挿入は2017年1月1日9時(日本時間)で、それ以降は一度も入っていません。

もうひとつは、入ったとしてもNTPで同期していれば自動的に吸収されることです。閏秒の調整は同期先のサーバー側で処理され、パソコン側は次の同期で正しい時刻を受け取ります。

今後は入りにくくなる

2022年の国際度量衡総会(CGPM)の決議4で、2035年までにUT1とUTCの許容差を現行の0.9秒から広げる方向が決まりました。許容差が広がれば調整の必要が生じる頻度は下がるため、閏秒の挿入は今後さらに起きにくくなります。

「時刻が1秒だけずれている」という症状は、閏秒ではなく同期の問題です。閏秒は世界中で同じ瞬間に一斉に行われるもので、自分のパソコンだけがずれることはありません。この記事の前半にある同期の設定を確認してください。

ミリ秒単位の正確さが必要なとき

ログの突き合わせ、証明書の検証、ワンタイムパスワードの生成など、秒よりも細かい精度が要る場面があります。Windowsの標準機能でどこまで詰められるかを整理します。

確認したいことコマンド(管理者)
最後に同期できた時刻と同期先w32tm /query /status
設定されている同期先の一覧w32tm /query /configuration
今すぐ同期し直すw32tm /resync
同期先との差を測るw32tm /stripchart /computer:ntp.nict.jp /samples:5

Windowsの時刻同期は、既定では7日に1回しか行われません。数分ずれてから気づくのは、この間隔のためです。ずれが気になる環境では、同期先を国内のサーバー(情報通信研究機構のntp.nict.jpなど)に変更したうえで、w32tm /resyncを定期的に走らせると安定します。

一般的なインターネット経由の同期で得られる精度は、回線の状況にもよりますが数十ミリ秒程度です。これ以上の精度が必要な用途は、家庭用のWindowsが想定している範囲を超えます。取引記録や計測など厳密な時刻が要る場合は、専用の時刻同期の仕組みを検討してください。

よくある質問

Q. 手動で合わせても、しばらくするとまたずれます。
同期が働いていないか、ボタン電池が消耗しています。電源を入れたままならずれない場合は、電池が原因です。

Q. 「時刻を自動的に設定する」がオンなのに合いません。
Windows Timeサービスが停止している可能性があります。services.msc で確認してください。

Q. 数秒のずれは気にすべきですか。
通常は問題ありません。証明書の検証や認証コードは、数分程度の誤差を許容するように作られています。

Q. ボタン電池を交換したら設定が消えました。
BIOS/UEFIの設定は電池で保持されているため、交換時に初期化されます。日付と時刻、起動順序を再設定してください。

Q. 二段階認証のコードが通りません。
PCまたはスマートフォンの時刻がずれています。両方の時刻を同期させてから、もう一度試してください。

Q. サーバー用途で正確な時刻が必要です。
同期間隔を短くし、国内の公的なNTPサーバーを指定してください。用途によっては専用の時刻同期ソフトを使う選択もあります。

今の正確な時刻を確認する方法

「ずれている」と判断するには、基準になる正確な時刻が必要です。

確認方法精度手軽さ
スマートフォンの時計高い(通信で同期している)最も手軽
公的機関の時刻配信ページ非常に高いブラウザで開くだけ
電波時計高い持っていれば
テレビの時報高い放送を待つ必要がある
別のPC同期していれば高い比較用

最も手軽なのはスマートフォンとの比較です。携帯電話網から時刻を取得しているため、通常は正確です。ただしスマートフォン側で手動設定にしている場合は基準になりません。

ずれの大きさで対処が変わる

ずれの大きさ原因の傾向優先度
数秒正常な範囲対処不要
数分同期していない
ちょうど1時間・9時間などタイムゾーンの設定高(設定で即解決)
数日同期の長期停止
年単位ボタン電池の消耗

認証や証明書の検証は、数分程度の誤差までは許容するように作られています。数秒のずれで慌てる必要はありません。逆に、ちょうど時間単位でずれている場合は設定の問題なので、その場で解決できます。

この記事で使える無料ツール

参照した一次情報

※ 掲載内容は2026年8月時点の公表情報にもとづきます。最新の情報は必ず各公式ページでご確認ください。

▶ 症状が違う場合:PCトラブル症状別ガイド — いま起きている症状から、該当する記事に直接たどり着けます

海外の拠点や取引先と時刻を合わせる必要がある場合はタイムゾーン変換で、日本時間から世界20都市の現地時刻を一覧できます。サマータイムも自動で反映されます。

まとめ

時刻のずれは、ずれ方を見れば原因がほぼ決まります。ちょうど数時間ならタイムゾーン、数分なら同期、日付が何年も戻るならボタン電池です。

時刻がずれていると、証明書の検証に失敗してサイトが開けなくなったり、二段階認証のコードが通らなくなったりします。「サイトが開けない」「ログインできない」の原因が時計だったというケースは実際にあります。まず設定 →「時刻と言語」で「今すぐ同期」を試してください。