IT用語は、意味を知らないまま読み飛ばすと記事全体が頭に入りません。かといって毎回検索すると、出てくる説明がまた別の専門用語だらけということも珍しくありません。
この辞典は117語を収録し、それぞれに「一言でいうと何か」「もう少し詳しい説明」「実務で引っかかりやすい注意点」の3段構えで書いています。上の検索欄に入力すると、その場で絞り込まれます。カテゴリの切り替えもできます。
ネットワーク25 TERMS
IPアドレスあいぴーあどれすIP address
ネットワーク上の機器を識別する番号。インターネットにおける住所にあたる。
機器がデータをやり取りするには、送り先を特定する番号が必要です。これがIPアドレスで、IPv4では 192.168.1.10 のように0〜255の数字4組で表します。家庭内で使うプライベートIPと、インターネット側で使うグローバルIPの2種類があり、ルーターが両者を変換しています。
注意自宅のPCで確認できる 192.168.x.x はプライベートIPです。外部から見えているIPとは別物なので、「IPが漏れた」と心配する前にどちらを指しているか確認してください。
→ IPアドレスとは
サブネットマスクさぶねっとますくsubnet mask
IPアドレスのどこまでが「ネットワーク部」かを示す値。
255.255.255.0 のように書き、1が並んでいる部分がネットワークを表し、残りが個々の機器を表します。同じネットワーク部を持つ機器同士は直接通信でき、違えばルーター経由になります。CIDR表記では /24 のようにビット数で書きます。
注意家庭用ルーターの既定は /24(255.255.255.0)で、使えるIPは254台ぶんです。
CIDRさいだーClassless Inter-Domain Routing
IPアドレスとサブネットマスクを「/24」のようにまとめて書く記法。
かつてIPアドレスはクラスA・B・Cという固定の区切りで配られていましたが、無駄が多いため、任意のビット数で区切れるCIDRに移行しました。/24 はマスクの1が24個、つまり 255.255.255.0 を意味します。
注意数字が大きいほど範囲は狭くなります。/30 は使えるIPが2台ぶんしかありません。
→ サブネット計算機
DNSでぃーえぬえすDomain Name System
ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み。インターネットの電話帳。
人間が覚えるのは名前、コンピュータが使うのは番号。この橋渡しをするのがDNSです。問い合わせの結果は各所にキャッシュされるため、2回目以降は体感ゼロ秒で解決します。設定変更が世界に行き渡るまで数分から48時間かかるのもキャッシュがあるためです。
注意サイトが見えないとき、DNSの問題かどうかはIPアドレス直打ちで表示できるかどうかで切り分けられます。
→ DNSとは
ドメインどめいんdomain name
インターネット上の住所を人が読める形にした名前。
takumi-dx.net のような文字列です。右から順に階層構造になっており、.net がトップレベルドメイン、takumi-dx がその下の登録名です。ドメインは買い切りではなく、年単位の使用権を借りている形になります。
注意更新を忘れると失効し、第三者に取られることがあります。自動更新の設定を必ず確認してください。
ルーターるーたーrouter
異なるネットワーク同士をつなぎ、データの通り道を決める機器。
家庭では「インターネット回線と家庭内LANをつなぐ箱」を指します。IPアドレスの割り当て(DHCP)、プライベートIPとグローバルIPの変換(NAT)、簡易的なファイアウォールなど複数の役割を1台で担っています。
注意Wi-Fiルーターは「ルーター+無線アクセスポイント」の複合機です。Wi-Fiが遅い原因が無線側なのかルーター側なのかは切り分けが必要です。
→ ルーターの選び方
Wi-FiわいふぁいWi-Fi
無線でLANに接続する規格の総称。
IEEE 802.11という規格に準拠した機器につけられるブランド名です。世代ごとにWi-Fi 4(11n)、5(11ac)、6(11ax)、7(11be)と呼ばれます。5GHz帯は速いが障害物に弱く、2.4GHz帯は遅いが遠くまで届くという性質の違いがあります。
注意規格上の最大速度は理論値です。実測は半分前後まで落ちるのが普通で、これは異常ではありません。
メッシュWi-Fiめっしゅわいふぁいmesh Wi-Fi
複数の機器で同じ名前の電波を張り、家中をカバーする方式。
親機と子機が連携して1つのネットワークを構成します。移動しても自動的に電波の強い機器へ切り替わるため、中継機のように手動でつなぎ替える必要がありません。木造3階建てや鉄筋の間取りで効果が出ます。
注意中継機は親機の電波を「そのまま増幅」するため速度が半減しますが、メッシュは専用の通信路を持つ製品なら落ちにくくなります。
IPoEあいぴーおーいーIP over Ethernet
光回線の新しい接続方式。混雑区間を通らないため夜間も速度が落ちにくい。
従来のPPPoEは「網終端装置」という装置を通るため、利用者が集中する夜間に渋滞が起きます。IPoEはこの区間を経由しないため、混雑の影響を受けにくくなります。IPv6での接続が前提で、IPv4通信もIPv6網を通す仕組み(IPv4 over IPv6)が併用されます。
注意「夜だけ遅い」場合、回線の契約や機器がIPoEに対応しているかを確認すると解決することがあります。
PPPoEぴーぴーぴーおーいーPPP over Ethernet
ID・パスワードで認証してから接続する従来方式。夜間に混みやすい。
電話回線時代の認証方式をイーサネット上で使えるようにしたものです。プロバイダから渡される接続IDとパスワードをルーターに設定して使います。仕組み上、網終端装置というボトルネックを通るため混雑しやすくなっています。
注意固定IPが必要な場合など、あえてPPPoEを使う場面もまだあります。
レイテンシれいてんしlatency
データが往復するのにかかる時間。応答速度。
ミリ秒(ms)で表します。速度(Mbps)が「一度にどれだけ運べるか」なのに対し、レイテンシは「声が届くまでの時間」です。オンラインゲームやビデオ通話の快適さは、速度よりレイテンシで決まります。
注意下り1.2Gbps出ていてもゲームにならないことがあります。筆者がSoftBank Airで実際に経験したのがこれです。
ジッターじったーjitter
応答時間のばらつき。値が大きいほど通信が不安定。
レイテンシが平均20msでも、ある瞬間は10ms、次は80msと揺れていれば通話は途切れます。この揺れ幅がジッターです。ゲームや通話では30ms以下が目安で、90msを超えると体感でも不安定さが分かります。
注意平均値だけを見て「速い回線」と判断すると、実際の使い心地とずれることがあります。
→ ゆらぎを実測する
帯域幅たいいきはばbandwidth
単位時間あたりに送れるデータ量。いわゆる「回線速度」。
Mbps(メガビット毎秒)で表します。「1Gbps」は理論上の最大値で、実際にはヘッダーのぶんや機器の性能で目減りします。バイト換算では8分の1になるため、1Gbpsの理論上の最大は毎秒125MBです。
注意bpsとB/sを取り違えると8倍ずれます。
NATなっとNetwork Address Translation
プライベートIPとグローバルIPを相互変換する仕組み。
家庭内の複数の機器が1つのグローバルIPを共有できるのはNATのおかげです。ルーターが「どの機器の通信か」を対応表で管理し、戻ってきたデータを正しい機器へ振り分けます。
注意外部から自宅の機器へ直接つなぐには、ポート開放(ポートフォワーディング)という別の設定が必要になります。
ポート番号ぽーとばんごうport number
1台の機器の中で、どのサービス宛の通信かを区別する番号。
IPアドレスが建物の住所なら、ポート番号は部屋番号です。Webは80番と443番、メール送信は587番、SSHは22番といったように用途ごとに慣例の番号があります。0〜65535の範囲が使えます。
注意使っていないポートを外部に開けたままにするのは危険です。必要なものだけを開けてください。
MACアドレスまっくあどれすMAC address
ネットワーク機器に製造時から付いている固有の識別番号。
48ビットの値で 00:1A:2B:3C:4D:5E のように表記します。IPアドレスが「今どこにいるか」を示すのに対し、MACアドレスは「その機器そのもの」を指します。同じLAN内での宛先指定に使われます。
注意スマホには追跡対策としてMACアドレスをランダム化する機能があります。MACアドレスフィルタリングを使っている場合は無効化が必要です。
DHCPでぃーえいちしーぴーDynamic Host Configuration Protocol
機器がネットワークに接続したとき、IPアドレスを自動で割り当てる仕組み。
ルーターがDHCPサーバーとして働き、接続してきた機器にIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバーの情報をまとめて渡します。手動設定が不要になるのはこの仕組みのおかげです。
注意プリンタやNASなど、常に同じIPであってほしい機器はDHCP予約か固定IP設定にしておくと管理が楽になります。
デフォルトゲートウェイでふぉるとげーとうぇいdefault gateway
宛先が同じネットワーク内にないとき、とりあえずデータを渡す先。
家庭では通常ルーターのIPアドレス(192.168.1.1 など)がこれにあたります。「知らない宛先はここに投げる」という出口の役割です。
注意この値が間違っていると、LAN内は見えるのにインターネットに出られない状態になります。
VPNぶいぴーえぬVirtual Private Network
通信を暗号化して、別の場所を経由させる仕組み。
公衆Wi-Fiでの盗聴防止や、社外から社内ネットワークへ安全に接続する用途で使われます。個人向けサービスでは、経由地を海外にして地域制限を回避する使い方も知られています。
注意VPNを使うと必ず速度は落ちます。暗号化と遠回りのぶんのコストです。
→ VPNとは
Pingぴんぐping
相手の機器に「届くか」を確認するための最も基本的な診断コマンド。
小さなパケットを送って返事が返るまでの時間を測ります。返ってこなければ経路のどこかで止まっており、返ってくれば少なくとも通信経路は生きていると分かります。応答時間はレイテンシの目安になります。
注意セキュリティ上、Pingに応答しない設定のサーバーもあります。返事がない=ダウンとは限りません。
パケットぱけっとpacket
ネットワークを流れるデータを小分けにした一つひとつの単位。
大きなファイルもそのまま送られるのではなく、細かく分割され、宛先などを書いたヘッダーを付けて別々に送られます。受信側で順番を並べ直して元に戻します。途中で失われたぶんだけ再送できるのがこの方式の利点です。
注意パケットロスが数%発生するだけで、体感速度は大きく落ちます。
ONUおーえぬゆーOptical Network Unit
光信号を電気信号に変換する装置。光回線の終端装置。
光ファイバーから届く光の信号は、そのままではPCやルーターが扱えません。ONUがこれをLANケーブルで流せる電気信号に変換します。回線事業者から貸与される機器で、ルーター機能は持たないのが基本です。
注意ホームゲートウェイはONUとルーターが一体になった機器です。二重ルーターを避けるため、市販ルーターを足すときは動作モードの確認が要ります。
SSIDえすえすあいでぃーService Set Identifier
Wi-Fiのネットワークにつけられた名前。
スマホのWi-Fi設定画面に並ぶ名前がSSIDです。1台のルーターが2.4GHz帯と5GHz帯で別々のSSIDを出していることが多く、末尾が -a や -g で区別されている製品もあります。
注意SSIDを隠す(ステルス)設定はセキュリティ対策としてはほとんど意味がありません。パスワードの強度のほうが重要です。
CDNしーでぃーえぬContent Delivery Network
世界各地のサーバーにコンテンツを配置し、利用者に近い場所から配信する仕組み。
画像や動画のような重いファイルを、地理的に近いサーバーから届けることで表示を速くします。同時に、大量アクセスを分散して元のサーバーの負荷を下げる役割もあります。
注意CDNを使うと、更新してもキャッシュが残って古い内容が見えることがあります。パージ(キャッシュ削除)の手順を把握しておいてください。
帯域制限たいいきせいげんthrottling
一定量を超えた通信について、速度を意図的に落とすこと。
携帯回線の「ギガを使い切ると128kbpsになる」がこれです。固定回線でも、短時間に極端な量を送った場合に上りだけ制限されることがあります。
注意ホームルーターは「無制限」をうたっていても、混雑時に制御が入る旨が約款に書かれていることがあります。
セキュリティ20 TERMS
二段階認証にだんかいにんしょうtwo-factor authentication
パスワードに加えて、もう1つの要素で本人確認する仕組み。
知識(パスワード)に、所持(スマホ・鍵)や生体(指紋・顔)を組み合わせます。パスワードが漏れても、もう一方がなければ入れません。個人でできる対策の中で費用対効果が最も高いものです。
注意SMSより認証アプリ(Google Authenticator など)のほうが安全です。SMSは番号乗っ取りの被害例があります。
パスワードリスト攻撃ぱすわーどりすとこうげきcredential stuffing
どこかで流出したID・パスワードの組を、別のサービスで試す攻撃。
攻撃者は総当たりをするのではなく、既に手に入れた「実際に使われていた組み合わせ」を機械的に試します。使い回しをしていると、1か所の流出で芋づる式に破られます。
注意パスワードがどれだけ長くても、使い回していれば防げません。サービスごとに変えることが唯一の対策です。
エントロピーえんとろぴーentropy
パスワードの推測されにくさをビットで表した値。
総当たりで破るのに必要な試行回数を対数で表したものです。1ビット増えるごとに必要な試行が倍になります。重要なアカウントは70ビット以上が目安で、英小文字だけでも16文字あれば約75ビットに達します。
注意記号を足すより文字数を伸ばすほうが効率よくエントロピーが上がります。
ハッシュはっしゅhash
元のデータから一定長の値を計算する、元に戻せない変換。
パスワードはそのまま保存せず、ハッシュ化して保存するのが原則です。同じ入力からは必ず同じ値が出ますが、値から元の文字列を逆算することはできません。ファイルの改ざん検知にも使われます。
注意MD5やSHA-1は既に安全とされていません。パスワード保存にはbcryptやArgon2のような、意図的に計算を遅くしたものを使います。
ランサムウェアらんさむうぇあransomware
ファイルを勝手に暗号化し、復元と引き換えに金銭を要求するマルウェア。
近年は暗号化に加えて、データを盗み出して「払わなければ公開する」と脅す二重恐喝が主流です。個人でも被害が出ており、写真や書類がすべて開けなくなります。
注意最大の防御はバックアップです。ただし常時つないだ外付けHDDは一緒に暗号化されるため、切り離して保管する運用が要ります。
フィッシングふぃっしんぐphishing
本物そっくりの偽サイトへ誘導し、IDやカード情報を入力させる詐欺。
宅配業者や銀行を装ったSMS・メールから始まるのが典型です。近年は日本語も自然で、見た目だけでは判別できません。
注意リンクを踏まないのが基本ですが、踏んでしまった場合も「入力しなければ」被害は出ません。URLのドメイン部分を必ず確認してください。
ゼロデイぜろでいzero-day
修正プログラムが存在しない段階の脆弱性、またはそれを突く攻撃。
開発者が問題を知ってから対策が出るまでの「猶予がゼロ日」という意味です。防ぎようがないため、被害を最小化する多層的な備え(権限の分離、バックアップ、監視)が重要になります。
注意ゼロデイを恐れるより、既に修正が出ている脆弱性を放置しないほうが実害を減らせます。
脆弱性ぜいじゃくせいvulnerability
攻撃に悪用され得るソフトウェアの欠陥。
設計や実装のミスによって、本来できないはずの操作ができてしまう状態を指します。発見されると識別番号(CVE)が振られ、開発者が修正版を配布します。
注意「使えているから大丈夫」ではありません。サポートが終了したソフトは脆弱性が見つかっても直りません。
ファイアウォールふぁいあうぉーるfirewall
通信を監視し、許可したものだけを通す仕組み。
ルーターやOSに組み込まれており、外部からの不要な接続を遮断します。家庭用ルーターはNATの副作用として、外から中への接続を既定で通さない構造になっています。
注意ファイアウォールは「外から中」を守るもので、自分でマルウェアをダウンロードして実行する経路は防げません。
マルウェアまるうぇあmalware
悪意を持って作られたソフトウェアの総称。
ウイルス、ワーム、トロイの木馬、ランサムウェア、スパイウェアなどをまとめた言葉です。「ウイルス」は本来その一種を指しますが、日常会話では総称として使われています。
SSL/TLSえすえすえる/てぃーえるえすSSL/TLS
通信を暗号化し、通信相手が本物であることを確認する仕組み。
ブラウザのアドレス欄が https:// で始まるのはこれが使われている証拠です。SSLは古い名称で、現在使われているのは実際にはTLSですが、慣用でSSLと呼ばれ続けています。
注意鍵マークは「通信が暗号化されている」ことしか示しません。偽サイトでも取得できるため、安全の証明にはなりません。
総当たり攻撃そうあたりこうげきbrute-force attack
考えられる組み合わせをすべて試してパスワードを破る手法。
機械的に順番に試すため、パスワードが短いほど短時間で破られます。オンラインのログイン画面では回数制限があるため現実的ではありませんが、流出したハッシュ値に対してGPUで実行すると桁違いに速くなります。
注意1秒間に1000億回試せる環境では、英小文字8文字は1秒程度で破られます。
ソーシャルエンジニアリングそーしゃるえんじにありんぐsocial engineering
技術ではなく人の心理を突いて情報を引き出す手法。
「システム部です、パスワードを教えてください」という電話、背後からの覗き見、ゴミ箱からの書類収集などが該当します。どれだけ堅牢なシステムでも、人が漏らせば意味がありません。
注意緊急性を演出して考える時間を奪うのが常套手段です。急かされたら一度切る、が有効な対策です。
公開鍵暗号こうかいかぎあんごうpublic-key cryptography
暗号化と復号で別々の鍵を使う方式。
公開鍵で暗号化したものは、対になる秘密鍵でしか戻せません。鍵を安全に受け渡す必要がないため、面識のない相手とも安全に通信できます。SSL/TLSやSSHの土台になっています。
注意秘密鍵が漏れた時点で全てが破られます。鍵ファイルの保管が最重要です。
多層防御たそうぼうぎょdefense in depth
対策を何段階も重ね、1つ破られても致命傷にしない考え方。
ファイアウォール、ウイルス対策、権限の最小化、バックアップ、教育。それぞれ単独では不十分でも、重ねることで被害の確率と規模を下げます。
注意「これさえ入れれば安全」という製品はありません。
ゼロトラストぜろとらすとzero trust
社内ネットワークだから安全、という前提を置かない設計思想。
従来は「社内は信頼、社外は危険」と境界で守っていました。クラウドとリモートワークの普及で境界が曖昧になったため、すべてのアクセスを都度検証する方式へ移行しています。
注意個人でも「自宅のWi-Fiだから安心」という思い込みは避けるべきです。
権限の最小化けんげんのさいしょうかleast privilege
必要最小限の権限だけを与える原則。
管理者権限で日常作業をしていると、マルウェアを実行した瞬間にシステム全体を書き換えられます。普段は標準ユーザーで作業し、必要なときだけ昇格するのが基本です。
注意WindowsのUAC(ユーザーアカウント制御)を切ってしまうと、この防御が働かなくなります。
バックアップばっくあっぷbackup
データを別の場所に複製して保管すること。
3-2-1ルールが目安です。データを3つ持ち、2種類の媒体に保存し、1つは別の場所に置く。ランサムウェア、機器の故障、誤操作のすべてに効く、唯一の万能対策です。
注意同期(Dropbox等)はバックアップではありません。誤って消したら同期先でも消えます。
CVEしーぶいいーCommon Vulnerabilities and Exposures
個々の脆弱性に振られる世界共通の識別番号。
CVE-2026-12345 のような形式です。同じ問題を各社が別の名前で呼ぶ混乱を避けるため、番号で一意に特定できるようにしています。
注意使っているソフトの名前とCVEで検索すると、影響範囲と対処法が確認できます。
サンドボックスさんどぼっくすsandbox
プログラムを隔離された環境で動かし、外に影響を出させない仕組み。
ブラウザは各タブをサンドボックス内で動かしており、悪意あるスクリプトがOSのファイルに触れられないようにしています。ウイルス対策ソフトが不審なファイルを試験的に動かす場所も同じ考え方です。
PC・ハードウェア18 TERMS
SSDえすえすでぃーSolid State Drive
半導体メモリを使った記憶装置。HDDより高速で衝撃に強い。
可動部品がないため、読み書きが速く静かで、落下にも比較的強いのが特徴です。OSをSSDに置き換えるだけで起動時間が数分の1になるため、古いPCの延命策として最も効果があります。
注意書き換え回数に上限がありますが、一般的な使い方なら10年以上もつ設計です。寿命を過度に心配する必要はありません。
HDDえいちでぃーでぃーHard Disk Drive
磁気ディスクを回転させて読み書きする記憶装置。
容量あたりの単価が安く、大量のデータ保管に向きます。一方で物理的に動く部品があるため、動作中の衝撃に弱く、SSDより遅く、音と発熱があります。
注意故障は前触れなく起きることがあります。大事なデータは必ず別の場所にも置いてください。
NVMeえぬぶいえむいーNon-Volatile Memory Express
SSD向けに設計された高速な接続規格。
従来のSATA接続がHDD時代の規格を流用していたのに対し、NVMeはPCI Expressを直接使い、SSDの性能を引き出せるように作られています。SATA SSDの5〜10倍の転送速度が出ます。
注意体感差は主に大きなファイルの転送で現れます。Web閲覧や文書作成では、SATA SSDでも十分速く感じます。
メモリめもりRAM
作業中のデータを一時的に置く場所。作業机の広さにあたる。
容量が足りないと、はみ出したぶんをストレージに退避(スワップ)するため急激に遅くなります。用途別の目安は、事務作業で8GB、写真編集や多数のタブで16GB、動画編集やゲーム配信で32GBです。
注意空き容量が少ないこと自体は異常ではありません。OSは空きメモリをキャッシュに使うため、使われているほうが健全です。
CPUしーぴーゆーCentral Processing Unit
計算処理の中心を担う部品。
コア数(同時に処理できる数)とクロック周波数(1つの処理の速さ)で性能が決まります。近年は高性能コアと省電力コアを混在させる設計が主流です。
注意世代が違うと同じコア数でも性能が大きく異なります。型番の数字だけで比較しないでください。
GPUじーぴーゆーGraphics Processing Unit
映像処理と並列計算を担う部品。
単純な計算を大量に同時実行するのが得意で、3Dゲームの描画、動画のエンコード、AIの学習と推論に使われます。CPU内蔵のものと、独立した拡張カードのものがあります。
注意ゲームをしないなら内蔵GPUで足ります。動画編集やAI用途では独立GPUの有無で作業時間が桁違いになります。
マザーボードざーぼーどmotherboard
CPU・メモリ・ストレージなど全部品をつなぐ基板。
対応するCPUの世代、挿せるメモリの規格と枚数、拡張スロットの数がここで決まります。PCを組む・拡張するときに最初に制約となる部品です。
注意CPUを新しくしたいだけでも、対応ソケットが違えばマザーボードごと交換になります。
電源ユニットでんげんゆにっとPSU
コンセントの電気をPC内部で使える形に変換する部品。
容量(W)と変換効率(80 PLUS認証)で選びます。容量が不足すると、高負荷時に突然電源が落ちるという分かりにくい不具合が出ます。
注意故障すると他の部品を巻き込むことがあるため、極端に安価なものは避けたほうが無難です。
USB-CゆーえすびーしーUSB Type-C
上下の区別がない小型のUSB端子の形状。
形が同じでも中身の性能はまったく別です。転送速度は5Gbpsから40Gbps、給電は7.5Wから240Wまで幅があり、映像出力に対応するかどうかもケーブルと機器次第です。
注意「充電はできるのに映像が出ない」の原因はほぼケーブルです。仕様を確認して選んでください。
ThunderboltさんだーぼるとThunderbolt
USB-C端子を使う高速な接続規格。
Thunderbolt 3以降はUSB-Cと同じ形状で、40Gbpsの転送と外部GPU接続に対応します。端子の横に稲妻マークが付いているのが目印です。
注意形が同じでもThunderbolt非対応の端子は多数あります。マークの有無を確認してください。
リフレッシュレートりふれっしゅれーとrefresh rate
画面が1秒間に何回書き換わるかを表す値。Hz。
60Hzが標準、120Hzや144Hzは動きが滑らかに見えます。ゲームだけでなく、マウスカーソルの動きやスクロールでも違いが分かります。
注意高リフレッシュレートを活かすには、PC側がその枚数を出力できる性能を持っている必要があります。
解像度かいぞうどresolution
画面を構成する画素の数。1920×1080など。
数字が大きいほど細かく表示できますが、同じ解像度でも画面サイズが違えば見え方は変わります。27インチの4Kは非常に精細ですが、拡大表示が前提になります。
注意4Kモニタを買っても、拡大率を150%にすれば作業領域はフルHDと大差ありません。
メカニカルキーボードめかにかるきーぼーどmechanical keyboard
キーごとに独立したスイッチを持つキーボード。
押し心地がスイッチの種類(軸)で決まり、赤軸は軽く静か、青軸はカチッと音が鳴り、茶軸はその中間です。壊れても1キーずつ交換できる製品もあります。
注意職場や家族と同じ部屋で使うなら、青軸は音が問題になりやすいので避けたほうが無難です。
ドライバどらいばdevice driver
OSと周辺機器のあいだを仲介するソフトウェア。
プリンタやグラフィックカードなど、機器ごとに専用のドライバが必要です。Windows Updateが自動で入れてくれることも多いですが、性能を出すにはメーカー製の最新版を入れたほうがよい場合があります。
注意不具合が出たとき、ドライバを最新にするか、逆に前の版へ戻すかは切り分けの基本手順です。
BIOS/UEFIばいおす/ゆーいーえふあいBIOS / UEFI
PCの電源投入直後に動く、OSより前の基本プログラム。
起動するドライブの順序、内蔵機器の有効・無効、CPUやメモリの動作設定などを行います。UEFIは従来のBIOSを置き換えた新しい規格で、マウス操作やGUIに対応しています。
注意設定を誤ると起動しなくなることがあります。変更前に元の値を控えてください。
熱暴走ねつぼうそうthermal throttling
温度上昇を避けるため、性能を意図的に落とす動作。
CPUやGPUは高温になると自動的に動作を抑えます。「最初は速いのに、しばらく使うと遅くなる」現象の多くはこれです。ノートPCや埃の溜まったデスクトップで起こりやすくなります。
注意ファンの清掃と設置場所の見直しだけで改善することがあります。
ベンチマークべんちまーくbenchmark
決められた処理を実行して性能を数値化すること。
機器同士を同じ条件で比べるために使います。ただし数値が高くても、実際の用途で体感差が出るとは限りません。
注意公称スペックとベンチマークと実使用は、それぞれ別の話として見てください。
ファームウェアふぁーむうぇあfirmware
機器そのものに組み込まれた制御用ソフトウェア。
ルーター、SSD、プリンタなどが内部で動かしているプログラムです。脆弱性の修正や不具合対応のために更新が配布されます。
注意ルーターのファームウェアを何年も更新していないケースは非常に多く、既知の脆弱性が放置されがちです。
Windows・OS8 TERMS
スタートアップすたーとあっぷstartup programs
Windows起動時に自動で立ち上がるプログラム群。
ここに登録されたアプリが多いほど、デスクトップが表示されてから操作可能になるまでの時間が延びます。タスクマネージャーのスタートアップタブで、影響度を見ながら無効化できます。
注意無効化しても、そのアプリを手動で起動すれば普通に使えます。アンインストールとは別物です。
タスクマネージャーたすくまねーじゃーTask Manager
動作中のプロセスと資源の使用状況を確認する標準ツール。
Ctrl+Shift+Esc で開きます。CPU・メモリ・ディスク・ネットワークのどれが上限に張り付いているかを見れば、遅さの原因がどの部品にあるかが分かります。
注意「ディスク100%」が続く場合は、ストレージがHDDであることが原因のケースが多くあります。
Windows UpdateうぃんどうずあっぷでーとWindows Update
Windowsの修正と機能追加を配信する仕組み。
毎月の品質更新と、年1回程度の大型機能更新があります。セキュリティ修正が含まれるため、止め続けるのは危険です。
注意更新中に極端に遅くなるのは正常な動作です。完了するまで電源を切らないでください。
レジストリれじすとりregistry
Windowsの設定情報を集中管理しているデータベース。
OSやアプリの動作設定が階層構造で保存されています。通常の操作では意識しませんが、細かい挙動を変えるときに直接編集することがあります。
注意「レジストリ掃除で高速化」を謳うソフトは効果が薄く、破損のリスクのほうが大きいため避けてください。
仮想メモリかそうめもりvirtual memory
メモリが足りないときにストレージを代用する仕組み。
ページファイルという領域を作り、あまり使っていないデータを一時的に退避させます。これにより物理メモリ以上の作業ができますが、ストレージはメモリより桁違いに遅いため動作は重くなります。
注意仮想メモリを無効化すると、メモリ不足時にアプリが強制終了します。既定のままが安全です。
クリーンインストールくりーんいんすとーるclean install
ストレージを初期化して、OSを最初から入れ直すこと。
積み重なった設定や不要なソフトを一掃できるため、原因不明の不調に対する最終手段として確実です。データは消えるためバックアップが前提になります。
注意上書きインストール(修復インストール)ならデータを残したままOSだけ入れ直せます。まずこちらを試す手もあります。
デフラグでふらぐdefragmentation
断片化したファイルを並べ直して読み込みを速くする処理。
HDDでは有効ですが、SSDでは不要です。SSDに対してはWindowsが自動的にTrimという別の最適化を行います。
注意SSDに対して手動でデフラグを繰り返すのは、寿命を縮めるだけで意味がありません。
ユーザーアカウント制御ゆーざーあかうんとせいぎょUAC
管理者権限が必要な操作の前に確認画面を出す仕組み。
画面が暗くなって「変更を許可しますか」と出るあれです。マルウェアが黙って権限を奪うのを防ぐ最後の砦になっています。
注意煩わしいからと無効化すると、権限の最小化という防御が丸ごと無くなります。
Web制作・WordPress10 TERMS
HTMLえいちてぃーえむえるHyperText Markup Language
Webページの構造を記述する言語。
見出し、段落、リスト、画像といった要素の意味を示します。見た目を決めるのはCSSの役割で、HTMLは「これは見出しである」という意味づけに専念します。
注意見た目のために見出しタグを使うのは誤りです。文字を大きくしたいだけならCSSで行います。
CSSしーえすえすCascading Style Sheets
Webページの見た目を指定する言語。
色、余白、配置、フォントなどを担当します。同じHTMLでもCSSを差し替えるだけで全く違う見た目になります。
注意セレクタの詳細度という優先順位のルールがあり、これを理解していないと「なぜか効かない」状態にはまります。
→ CSSの役割
JavaScriptじゃばすくりぷとJavaScript
ブラウザ上で動作を作るプログラミング言語。
クリックしたら開く、入力に応じて計算する、といった動きを担当します。このサイトのツール類もすべてJavaScriptで動いており、サーバーへの送信なしに処理を完結させています。
注意Javaとは名前が似ているだけで別の言語です。
レスポンシブデザインれすぽんしぶでざいんresponsive design
画面幅に応じてレイアウトを変える設計手法。
1つのHTMLとCSSで、PC・タブレット・スマホのすべてに対応します。メディアクエリという仕組みで、幅ごとに異なるスタイルを当てます。
注意日本ではモバイルからの閲覧が多数派です。スマホ表示を先に設計するほうが結果的に早く仕上がります。
ブロックエディタぶろっくえでぃたGutenberg
WordPress標準の編集画面。段落や画像を「ブロック」として扱う。
文章、見出し、画像、表などをブロック単位で並べ替えられます。旧来のクラシックエディタと比べ、HTMLを書かずに複雑なレイアウトが作れます。
注意ブロックの中身はHTMLコメント形式で保存されます。コメント部分を壊すとブロックが認識されなくなります。
テーマてーまtheme
WordPressの見た目とテンプレートをまとめたもの。
デザインだけでなく、記事一覧の並び方や個別ページの構造も決めます。ブロックテーマではテンプレート自体を管理画面から編集できます。
注意テーマを変えると、そのテーマ用に作ったテンプレートは引き継がれません。乗り換えは慎重に。
プラグインぷらぐいんplugin
WordPressに機能を追加する拡張プログラム。
問い合わせフォーム、SEO設定、バックアップなど、標準にない機能を後から足せます。入れすぎると速度低下と不具合の温床になります。
注意更新が止まっているプラグインは脆弱性が放置されます。最終更新日を必ず確認してください。
パーマリンクぱーまりんくpermalink
個々の記事に割り当てられる恒久的なURL。
WordPressでは投稿名、日付、IDなど形式を選べます。一度公開したあとに変更すると、既存のリンクや検索結果からの流入が切れます。
注意どうしても変える場合は、旧URLから新URLへ301リダイレクトを設定してください。
コアウェブバイタルこあうぇぶばいたるCore Web Vitals
Googleが定めた、ページの使い心地を測る3つの指標。
表示の速さ(LCP)、操作への反応(INP)、レイアウトのずれ(CLS)の3つです。検索順位の要因の一つとされていますが、コンテンツの質のほうがはるかに影響が大きいとされています。
注意CLSは画像に幅と高さを指定するだけで大きく改善します。
キャッシュきゃっしゅcache
一度取得したデータを保存して再利用する仕組み。
ブラウザ、サーバー、CDNなど各層に存在します。表示を速くする一方で、更新したのに古い内容が見えるという混乱の原因にもなります。
注意「自分だけ直っている」「他の人には古いまま」の多くはキャッシュです。
SEO・マーケティング10 TERMS
E-E-A-TいーいーえーてぃーExperience, Expertise, Authoritativeness, Trust
Googleが品質評価で重視する4つの観点。経験・専門性・権威性・信頼性。
2022年に「経験(Experience)」が加わりました。実際に使った、行った、作ったという一次体験が評価対象として明示された点が転換になっています。
注意検索順位を直接動かすアルゴリズムではなく、評価者向けガイドラインの概念です。ただし方向性の指標としては有効です。
検索意図けんさくいとsearch intent
検索した人が本当に知りたいこと、やりたいこと。
同じ「windows11 重い」でも、原因を知りたい人と今すぐ直したい人では求める答えが違います。上位表示されているページを見ると、Googleがどちらの意図を優先しているかが読み取れます。
注意キーワードを詰め込むより、意図に正面から答えるほうが結果につながります。
被リンクひりんくbacklink
他のサイトから自分のサイトへ向けられたリンク。
第三者からの推薦とみなされ、評価の材料になります。数より、どんなサイトから貼られているかという質が重要です。
注意購入した被リンクはペナルティの対象です。短期的に効いても後で大きく落ちます。
内部リンクないぶりんくinternal link
同じサイト内のページ同士をつなぐリンク。
読者の回遊を促すと同時に、検索エンジンにサイト構造とページの重要度を伝えます。関連する話題を自然につなぐのが基本です。
注意どのページからも辿れない孤立ページは、価値があっても評価されにくくなります。
canonicalかのにかるcanonical URL
内容が同じページが複数ある場合に、正規のURLを指定するタグ。
パラメータ付きURLやhttp/httpsの併存で同じ内容が複数のURLで見える状態を整理します。評価が分散するのを防ぎます。
注意自己参照のcanonicalを全ページに入れておくのが定石です。
構造化データこうぞうかでーたstructured data
ページの内容を検索エンジンが理解できる形式で記述したもの。
記事の著者、公開日、FAQ、パンくずなどをJSON-LD形式で書きます。検索結果でリッチな表示につながることがあります。
注意マークアップと実際の表示内容が食い違うと、ガイドライン違反になります。
クロールくろーるcrawl
検索エンジンのロボットがページを読みに来ること。
クロールされて初めてインデックス(登録)の候補になります。新しいサイトはクロール頻度が低く、公開してもすぐには反映されません。
注意Search Consoleから個別にリクエストできますが、順位が上がるわけではありません。
インデックスいんでっくすindex
検索エンジンのデータベースに登録された状態。
クロールされても、品質が低いと判断されればインデックスされません。「クロール済み – インデックス未登録」はその状態です。
注意ページ数を増やすより、1ページの中身を厚くするほうが登録されやすくなります。
CTRしーてぃーあーるClick Through Rate
表示回数のうち、クリックされた割合。
検索結果に100回出て3回クリックされればCTRは3%です。順位が同じでも、タイトルと説明文の書き方でCTRは大きく変わります。
注意順位が上がらなくても、CTRを改善すれば流入は増やせます。
リライトりらいとcontent refresh
公開済みの記事を書き直して品質を上げる作業。
情報の更新、検索意図とのずれの修正、内部リンクの追加などを行います。新規記事を書くより、既に評価のある記事を伸ばすほうが効率的な場面が多くあります。
注意タイトルとURLを同時に変えると、それまでの評価が引き継がれにくくなります。
サーバー・クラウド8 TERMS
レンタルサーバーれんたるさーばーshared hosting
1台のサーバーを複数の利用者で分け合う形式のホスティング。
管理は事業者が行うため、専門知識がなくてもWebサイトを公開できます。安価ですが、同居している他の利用者の負荷の影響を受けることがあります。
注意「無制限」表記でも、実際には同時接続数やCPU時間に上限があります。
VPSぶいぴーえすVirtual Private Server
1台の物理サーバーを仮想的に分割し、専有のように使える形式。
root権限が与えられ、OSやミドルウェアを自由に構成できます。そのぶん、セキュリティ対策や障害対応は自分の責任になります。
注意レンタルサーバーからの乗り換えは、管理の手間が跳ね上がる点を織り込んで判断してください。
→ VPSとは
クラウドくらうどcloud computing
必要なときに必要なだけ計算資源を借りる利用形態。
使った量に応じた課金で、負荷に応じて自動的に増減させることもできます。AWS、Google Cloud、Azure が代表的です。
注意使わないリソースを消し忘れると請求だけが続きます。停止と削除の違いに注意してください。
SSHえすえすえいちSecure Shell
サーバーに暗号化された通信で接続し、コマンド操作する仕組み。
パスワードより公開鍵認証のほうが安全で、実務では鍵を使うのが標準です。既定のポート22は攻撃対象になりやすく、変更されることもあります。
注意秘密鍵を他人に渡してはいけません。渡すのは公開鍵のほうです。
FTP/SFTPえふてぃーぴー/えすえふてぃーぴーFTP / SFTP
サーバーとファイルをやり取りするための仕組み。
FTPは通信が暗号化されないため、IDとパスワードが平文で流れます。SFTPはSSH上で動作し暗号化されます。
注意いまFTPを使う理由はほとんどありません。SFTPかFTPSを選んでください。
バーチャルホストばーちゃるほすとvirtual host
1台のサーバーで複数のドメインのサイトを動かす仕組み。
受け取ったリクエストのドメイン名を見て、対応するディレクトリの内容を返します。レンタルサーバーで複数サイトを運用できるのはこの仕組みによります。
ロードバランサーろーどばらんさーload balancer
アクセスを複数のサーバーに振り分ける装置。
負荷を分散して処理能力を上げると同時に、1台が落ちても残りで処理を続けられるようにします。
注意振り分け先でセッション情報を共有しないと、ログインが切れる問題が起きます。
ステージング環境すてーじんぐかんきょうstaging environment
本番と同じ構成で用意した、確認用の環境。
更新やプラグインの追加を本番に反映する前に試します。壊れても実害が出ないため、大きな変更のときは必ず使うべきです。
注意本番と設定が違うと、ステージングで問題がなくても本番で起きることがあります。
AI・データ8 TERMS
大規模言語モデルだいきぼげんごもでるLLM
膨大な文章から言葉の並びを学習した、文章生成のためのAIモデル。
次に来る単語の確率を予測することを繰り返して文章を作ります。意味を理解しているのではなく、統計的にもっともらしい続きを出しているという点が動作の本質です。
注意事実を保証する仕組みは内部にありません。重要な情報は必ず一次資料で確認してください。
ハルシネーションはるしねーしょんhallucination
AIがもっともらしい嘘を生成する現象。
存在しない論文、実在しない条文、間違った数値などを、自信のある口調で出力します。仕組み上「知らない」と判断する機構がないために起こります。
注意出典を聞くと架空のURLを作ることがあります。出典そのものを検証してください。
プロンプトぷろんぷとprompt
AIに与える指示文。
目的、前提、出力形式、制約を具体的に書くほど結果が安定します。「良い記事を書いて」より「読者は初心者、1200字、見出し3つ、専門用語には説明を添える」のほうが期待に近づきます。
注意機密情報や個人情報を入力しないでください。学習に使われる設定になっている場合があります。
トークンとーくんtoken
AIが文章を処理する際の最小単位。
単語より細かく、日本語では1文字が1〜2トークンになることが多いです。入力できる長さや料金はトークン数で計算されます。
注意日本語は英語よりトークン効率が悪く、同じ内容でも消費が多くなります。
RAGらぐRetrieval-Augmented Generation
外部の文書を検索して、その内容をもとにAIに回答させる手法。
モデル自体を再学習させずに、社内文書や最新情報を回答に反映できます。出典を提示しやすいため、業務利用で広く使われています。
注意検索で拾えなかった情報は答えられません。検索の精度が全体の品質を決めます。
ファインチューニングふぁいんちゅーにんぐfine-tuning
既存のモデルに追加学習させ、特定の用途に適応させること。
文体や出力形式を固定したい場合に有効です。一方、知識を追加する目的にはRAGのほうが向いていることが多くなっています。
機械学習きかいがくしゅうmachine learning
データから規則性を見つけ出し、予測や分類を行う技術。
明示的にルールを書く代わりに、大量の事例から自動的に判断基準を作ります。迷惑メール判定、画像認識、需要予測などに使われます。
注意学習データに偏りがあると、その偏りをそのまま再現します。
推論すいろんinference
学習済みモデルを使って実際に答えを出す処理。
学習が「勉強」なら推論は「本番の回答」です。学習に比べて必要な計算量は少ないものの、利用者が多ければ推論側の負荷が支配的になります。
プログラミング10 TERMS
APIえーぴーあいApplication Programming Interface
ソフトウェア同士がやり取りするための窓口。
決められた形式でリクエストを送ると、決められた形式で結果が返ります。内部の仕組みを知らなくても機能を利用できるのが利点です。
注意公開APIには利用回数の制限があるのが普通です。制限を超えると一時的に遮断されます。
JSONじぇいそんJavaScript Object Notation
データをやり取りするための軽量な記述形式。
キーと値の組で構造を表します。人間が読める形式でありながら機械処理もしやすく、APIの応答形式として事実上の標準になっています。
注意末尾のカンマやシングルクォートは許されません。エラーの大半はこの2つです。
正規表現せいきひょうげんregular expression
文字列のパターンを記述するための記法。
検索、置換、入力チェックで使います。短く書ける反面、読みにくくなりやすいため、複雑なものはコメントを添えるか分割するのが実務上の知恵です。
注意繰り返しの入れ子は処理が返らなくなることがあります(ReDoS)。
GitぎっとGit
ソースコードの変更履歴を管理する仕組み。
いつ誰が何を変えたかを記録し、過去の状態に戻せます。複数人が同じファイルを並行して編集しても、後から統合できます。
注意コミットは小さく、意味のある単位で。あとで自分が読むことになります。
デバッグでばっぐdebugging
プログラムの不具合の原因を突き止めて直す作業。
再現手順を固定し、範囲を半分ずつ絞り込むのが基本です。エラーメッセージは最も重要な手がかりで、読み飛ばさずに全文を確認します。
注意「動かない」ではなく「何をしたら、何が起きて、何を期待していたか」を分けて整理すると原因に近づきます。
例外処理れいがいしょりexception handling
想定外の事態が起きたときの動作をあらかじめ書いておくこと。
ファイルが見つからない、通信が切れた、といった状況で、プログラム全体を止めずに適切に処理します。
注意例外を握りつぶして何もしないコードは、原因調査を極端に困難にします。
リファクタリングりふぁくたりんぐrefactoring
外から見た動作を変えずに、内部の構造を整理すること。
読みやすく、変更しやすい状態に保つための作業です。動作が変わらないことを保証するため、テストがある状態で行うのが前提になります。
非同期処理ひどうきしょりasynchronous processing
時間のかかる処理の完了を待たずに、次の処理を進める方式。
通信やファイル読み込みの待ち時間に他の作業を進められるため、画面が固まりません。JavaScriptではPromiseやasync/awaitで扱います。
環境変数かんきょうへんすうenvironment variable
プログラムの外から設定値を渡す仕組み。
APIキーやデータベースの接続情報など、コードに直接書きたくない値を保持します。環境ごとに違う値を、同じコードで切り替えられます。
注意環境変数を書いたファイルをGitに含めてしまう事故が頻発しています。除外設定を必ず確認してください。
文字コードもじこーどcharacter encoding
文字を数値で表すための規則。
UTF-8が現在の標準です。日本語ではShift_JISやEUC-JPも使われてきましたが、扱いが違うと文字化けの原因になります。
注意文字化けは「保存時の文字コード」と「読み込み時の文字コード」の食い違いで起きます。
この辞典の使い方
検索欄には用語そのものだけでなく、説明文に含まれる言葉でも検索できます。たとえば「遅」と入れると、Wi-Fi・HDD・メモリ・熱暴走・タスクマネージャー・仮想メモリと、遅さに関係する用語がまとめて出てきます。「暗号」ならVPN・ランサムウェア・SSL/TLS・公開鍵暗号・SSH・FTP/SFTPの6語、「攻撃」ならパスワードリスト攻撃・ゼロデイ・脆弱性・総当たり攻撃・SSHの5語が並びます。
意味を調べるだけで終わらせず、関連記事へのリンクがある用語は、そのまま読み進められるようにしています。
収録の方針
- 定義を写さない:辞書的な定義をそのまま並べても理解にはつながらないため、「なぜそれが必要なのか」「知らないとどう困るのか」から書いています
- 注意点を必ず添える:現場で実際にはまりやすい落とし穴を「注意」として明記しています
- 誤解の訂正を優先:「SSDの寿命は短い」「SSIDを隠せば安全」など、広く信じられているが正確でないことは、その旨をはっきり書いています
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